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ルナを強引に剥がす、しかし背中に回り込まれ、しがみついたまま離れようとしない。
「ルナ…いい加減離してくれ」
そうルンディは懇願にも近い顔でそれを言うが知らんぷり、聞かんふりをして背中に顔を押し付ける。
鼻息が荒い。
「おにいちゃん、いい匂い~」
そう甘えた声を出しながらしがみ付いたまま離れようとしなくなった。
しょうがないので食事を置いてあるリビングにまで歩いていく。
「ルンディもルナも、おはよう」
母がニッコリ笑いながら言う。
特段、母が料理を出来ないわけではない。
ルンディが起きれなかった頃は作っていたがルンディは起きてこれるようになってからは母への負担を考えて作っているだけど、と言う理由だ。
昼の弁当や夜の料理は母が基本作っているので、ルンディはそれを手伝うだけ。
「ルナ、ごはんだぞ、行け」
そう言って背中から離して、席につかせる。
ルンディは部屋に戻る、虚弱とはいえ、何もできないわけではないし、森に行って罠に掛かった動物を取りにいく。
家族はそれを最初は心配していたが今ではさほどそうでもない。
何時もと変わらない日常だった。
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