魔法少年とクマ

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ルンディの中にある興奮は割と少なく、どちらかと言うと冷静な感情が8割型であった。 ルンディは自身の持つ魔力、それに準じた戦闘時間を大雑把に考える。 元々、自身の肉体は虚弱、貧弱極まりなく、身体能力強化で魔力は常時持って行かれている。 ルンディはそこまで考えたときに不意に現実に引き戻される。 自身の体は反射的に、危険を察知し後ろに跳び、後退する。 眼前には巨体の割に素早い速度で此方に剛腕を振るったロウベアが見えた。 敵を目前に深い思考に囚われかけていたルンディの脳内には、冷水を浴びたような冷たさが宿る。 ルンディはおおよそ、戦える時間を6分程度だと仮定した。 自身の魔力は確かにそこそこ多い、だが今までに使った魔力、それに加え常時使用中の身体強化、いくつかの不確定要素に加え、初の殺し合いであり戦闘。 緊張もし、体が上手く動かないかもしれない。 万全の状態でなら10分は動けていたかもしれない、そこまで考えたが、その後の思考は目の前に存在するロウベアに向けられていた。
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