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昔、何かの拍子にルナに抱き着いたことがある。
なんでだったか、どうしてなのか覚えてないが抱き着いた。
その時に、ルナは――そう今のように…。
そこまで思考しながら抱き寄せたルナは顔を真っ赤にしながら気絶していた。
「あの時は慌てたけど――今はそうでもないかな」
ルナは密着したがり、されたがる。
その癖密着すると今回、ルンディにされた時のように意識を失う。
身体強化をしなければルナと言う少女の体でも持ち上げることが出来ない。
ルンディはそのままルナを部屋のベッドに寝かせ、自身は部屋を出て父の部屋に向かう。
その途中に自身の荷物を持っていくのを忘れない。
部屋の前に辿りついたルンディは部屋を軽くノックする。
「入りなさい」
父親の声がする、ルンディは目を閉じ、深呼吸した後、扉を開く。
「ルンディ…か」
扉を開け、中に入る。
その中にはランタンを持った父が何かを持っているところであった。
「これを…お前にやろう」
一つの袋を受け取る。
ランタンの明かりに照らされ、父の顔がよく見える。
その顔は哀愁漂い、今には枯れ落ちそうな木にも見えた。
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