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ルンディの朝は早い。
虚弱な体を持つルンディは昔から家族のために様々な手助けをしていた。
自身に、すべてに絶望したルンディだが、早起きと家族の手助けは必ず毎日行っている。
早起きし、水を飲む。
そのままいつも通り同じように体に魔力を行き渡らせ、貧弱な肉体を薄く強化する。
昨日の内から用意していたパンとポテトを後砕いた物をスープに混ぜ込み、少しパラパラと乾いた肉と塩を振る。
これで簡易な朝食は完成だ、
自身の体はあまり栄養が無くても補える体らしく、少なめでもすぐに満腹になってしまう。
少し早めに朝を食い、家族の料理をつくり、父親から順に起こしに行く。
ルンディは起こし行く前に、自身の食器を片づけ簡単に綺麗にしながら考える。
父の言っている渡すものとは、いったいなんだろうか。
少なからず思っているのはお金が幾何か、それと干し肉にパンなどの日持ちの良い食料だろう。
父はこの虚弱極まりない肉体を持つ自身を、大事にしてくれていた気がする。
「ふぅ…、起こしに行くか」
ルンディは濁ったような死んだ魚のような目をしながら洗い物を終え、家族の元へと向かった。
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