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風紀委員を撒くには階段を降りるかと廊下の端、空き教室のあった三階から二階に降りようとして、足がもつれて段差を踏み外しそうになる。
「危ねっ……!」
とっさに手すりを掴もうとするが、後僅かという所で間に合わない。
あ、こりゃ落ちるな。
半ば諦めてギュッと目を瞑ると、何者かに腕を掴まれてガクンと身体が傾いた。
「うわっ!」
「危ない……」
更にグイッと腕を引っ張られ、オレの腕を掴んでいた何者かがオレの身体をしっかりと抱き締める。
「あー、助かったわ。ありがと」
オレを助けてくれたソイツの肩の辺りにオレの顔が埋もれているのは、段差の所為か?
オレ、身長そんなに低くないし。
170㎝はあるし。
「見つけましたよ、桜庭椎馬!」
風紀委員の声にハッと顔を上げる。
そうだ、オレ逃げてる最中だったわ。
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