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嗚咽混じりで話したため、言いたいことが伝わったのかはっきりしない。
だが、止まらない。
「そういうのをすり合わせながら一緒にいるのが、付き合うってことじゃないの。なんで、どういうつもりで私と付き合ったのよ。一緒にいた時間はうそなんじゃないの!私は、色んなことをこれでも受け入れようとしていく覚悟はあるし、一緒にいたいのに」
止まらない。しつこいと思われても、止まらない。
たった半年足らずの出会いで、ここまで人を好きになれるなんて信じられなかった。
だが、壊したくなかった。
小島は再びそっと夏樹の腕を取ると、近くのブランコまで引っ張っていく。
アパートはすぐ隣にあるのに、そこに連れて行こうとはしない。
答えは出ている。それが分かると同時に、再び涙が溢れる。
どれほど泣いたのだろう。もう、瞼が開いていることさえ奇跡なほど腫れている。
ブランコに座ったあとも、一通り泣いたあと、少しだけ冷静にアンる。
「ごめん」
一言告げると、小島が首を振る。隣に座っている彼が、まっすぐ前を向いているのが視界の隅にうつる。
「優しいから、私を傷つけないように本当のことは言わないようにしているんでしょう。」
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