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「驚くと思うんだけど。実は、好きな人がいるんだ」
一瞬、頭の中が真っ白になる。何と言ったんだ。信じられない言葉だった。
彼だけは自分を裏切らないと思っていた。
それなのに、一言が頭に蘇る。
「え?なに。やっぱり!?」
聞き返しながらも、もう耳をふさいでしまいたい衝動に駆られる。
だが、想像しなかったわけではない。
こんなに急に別れを告げられるなど、信じてはいたが、他に理由があるはずないと思っていた。
だが、こんなに簡単に裏切られるなんて思わなかった。
「でも、その人は結婚できないんだよね」
「え!?」
さらに聞き返す。不倫か。どの女だ。会社の飲み会で撮ったという写真を何枚を見せてもらったことはある。
同年代はいなかった。
どちらかといえば、母親世代の女性が多い中、小島は息子のように可愛がられているように見えた。
一つ年上の夏樹を選んだ小島は、年下は苦手だと言っていた。
納得である。
年上、それもかなり上の世代が好みなのだ。
だが、小島の告白には続きがあった。
「実は相手、男の子なんだよね」
「え!!!」
驚いた後、すぐに再び涙が流れる。
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