第2話

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そう、今日はイチゴ狩りに行くというのに、天気は生憎の雨だった。 最初の晩にご飯を食べた時も、雨がぱらついていた。 次の晩に、夏樹の希望でお好み焼きを食べに行った時も、雨が降っていた。 そして前回、一度目にイチゴ狩りに行こうとした時は、あろうことか雪が降っていた。 電車が不通になるほどではなかったが、大事をとって映画を見に行った。 そして、今回はイチゴ狩りリベンジとなったのだが、またしても雨。 だが、ハウスの中でやるものだし、豪雨というほどではないので決行となった。 「イチゴ狩りって初めてなんだよね。ブルーベリー狩りはやったことがあるんだけど」 眼鏡をくいと人差し指で持ち上げながら、小島はつぶやく。 それが、誰と行ったものなのか聞きたい衝動にかられるが、夏樹はぐっとこらえた。 何度か遊び食事に行っても、話す内容といえば、仕事のことと家族のこと。 他にも映画や本のことは話す。 十分なようで、肝心なことを聞けていない気がした。 「私はミカン狩りとぶどう狩りならやったことあるな。それにイチゴ狩りは小さい頃なら」 「おー、結構あるね。」 「でしょ。山梨まで行ったんだよ」
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