第2話

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目的の駅までは、40分。 一駅が5分間隔もある長い道のりだが、話していると次第に人が減っていく。 乗換えや、休日に部活に向かう生徒たちだろう。 車窓から見える景色も、町並みや住宅街は消え、次第に森の中を突き進むものに変化していく。 相変わらず窓に打ち付ける雨の量は減らなかったが、それを二人が気にすることはなかった。 次第に電車の中に人が数人しかいなくなった頃、やっと目的の駅に到着した。 「簡単に道を調べておいたんだけど、歩いていけそうだよね」 「確か十分って出てたよ」 夏樹も朝、急いでイチゴ農園の住所を検索していたのだ。それにより、歩くことを考えてジーパンにしてきたのだ。 ブーツをはいて、ワンピースでも着たかったが、ぐっと我慢してジーパンを着て汚れてもいいコートを着てきたのだ。 だが、そんなことを構った様子もない小島は、鞄から折りたたみの傘を出すとすっと広げる。 さっとそこに身体を滑り込ませたかったが、通用しないだろう。 おとなしく自分の持っていた傘を広げると、小島とともに駅を出発した。駅前にはタクシーが一台と、バスが止まっていた。 前に降りた小さい子供を連れた親子が、タクシーに乗り込みどこかへ走り去って行った。 バスは、行き先が近くにある大きな牧場の名前になっていたが、この天候のせいで誰一人乗客はいないまま、走り去って行った。
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