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レーンの長さは遠くまで及び、場所によってイチゴの品種が違うようだ。
「制限時間は今から三十分です。もしお腹がいっぱいになったら抜けても大丈夫です。ミルクを買われた方は、配布しますのでこちらに並んでください」
スタッフが声を荒げるようにして告げる。
それもそのはず、同じグループにいるのは小さい子どもを連れた家族連れか、
カップルがほとんど。
子どもたちはイチゴを前にして我慢できず、早足でイチゴの森へ突き進んでいくのだ。
それを追いかける父親、ミルクを取りに並ぶ母親。
特にざっくばらんの雰囲気でスタートしたハウスで、小島と夏樹も狩りへ繰り出した。
「あっまーい!」
一番近くにある赤くて大きな熟したイチゴをもぎ取ると、一口。夏樹は思わず歓声を上げていた。
「本当?」
といって、小島も一口。声に出さないものの、顔を上げ目を丸くして頷く。
あまりの可愛らしさに、夏樹が声を上げて笑った。
「甘いでしょ。すごいね。イチゴ狩り馬鹿にしてました」
夏樹が言うと、今度こそ小島が同じく声を上げて笑った。
スーパーで買うイチゴは一パック大体400円。12個入っていると思えば、大体イチゴ狩りの料金は3倍。そうなると35個以上は食べないと同じくらいの元はとれないことになる。
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