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そう計算して、今までイチゴ狩りに行くことをためらっていた。食べられるわけがない。
しかし、本物のイチゴ狩りは大違いだ。
そもそもスーパーのイチゴと大きさがけた違い。三倍はあるだろう。
「ねぇ、しゃがんでみて!周りが本当に森みたいだよ」
レーンの間にしゃがんで見ると、太ももの高さになっているイチゴが、同じ目線にくる。
上からの目線で探すのとは大きく違い、イチゴがより巨大化して見える。
「すごい。小人になったみたいだね」
小島の感想に、いちいち夏樹が声を上げて笑う。まるで高校生カップルになったような気分で次々とイチゴを口に放り込むと、気がつけば最初に渡されたカップがヘタでいっぱいになっていた。
30分が少なく感じていたけれど、実際にはそんなに長い間食べられなかった。
「もう当分イチゴは見たくないよ」
とお互いが口々に漏らしながらハウスを出たのは20分後、雨は来た時よりも強くなっていた。
「タクシー、呼ぼうか」
空を見上げてつぶやく小島。確かに、同じ時間をかけて歩いて戻ることは効率的ではなかったし、目的を遂げたこともあってテンションは若干下がっていた。
「お願いします」
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