第三話

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部活内でも一番の美女である彼女が、そうやって綺麗に結婚をしていく姿が羨ましくないわけではない。 だが、妬ましい気持ちはみじんもなかった。 自分なりの幸せを探せばいい。 心からそう思えるのは、夏樹に今、小島というパートナーができたからというのもあるだろう。 だが、幸は子どもを産んで半年もしたら離婚したいと騒ぐようになった。 みんなで集まる度に、家庭の不満をこれまでかと思うほどこぼすことに、周囲は辟易し始めている。 良子は、自分がそんな周囲よりもいい生活を手に入れていることを実感しているのか、集っても時間より遅く来て、自分のことは話さなくなった。 そのことに気づいているのは、おそらく夏樹だけではない。 だが、誰もそれを口にすることはなかった。 「このホテルすごい高いじゃない。うちは絶対無理。スターバックスでコーヒー飲むのだって半年に一度の贅沢だもん」 元々、夏樹が幸とそこまで仲が良かったわけではない。 だが、一人ずつ結婚するにつれ、自分の結婚生活を相手のものと比べるようになった幸は、少しずつ距離を置かれるようになった。 結局、彼氏も長くいなかった夏樹が、幸の話し相手をすることが多く、いつのまにかセットとされることが多い。
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