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もし一緒に住んだら、家具の選択や配置まで、小島に任せようと心に刻んで家に上がる。
「おじゃましまーす」
入ってすぐの壁には、筆記体で書かれた英語の文章が額縁に入れられて飾られている。
ポスターのようで、絵画のようでもある。
聞けば、小島の叔母が、石田桃のファンである小島のために作ってくれたというのだ。
お風呂が沸かされていて、洗濯物は籠に入れてまとめられている。
至れり尽くせり。この家に来ると、いつもそう思う。
トイレ一つにしても、壁には小さなカレンダーが飾られ、インテリアとしての本まで並べられているのだ。
「ご飯、おにぎり二つくらいチンして食べられるー?」
洗面所で手を洗っていると、背後から声をかけられる。正直そんなスペースはない。
「結構フルコースがすごかったから、ひとつでいいかな」
すると、鍋をかき回していた小島が振り返り、また目を丸くする。
「な、何?」
「そうだよね。結婚式って、ご飯食べに行くようなものだもんね。お腹いっぱいだよね」
「え」
「忘れてた。すごくお腹減らしてくると思った」
「えー!」
心から驚いて、夏樹が叫ぶと、小島は鍋の火を止めた。
「ちょっと、ちょっと。ご飯待っててくれたんじゃない?」
「いやー、でもビール飲めば大丈夫だし」
「おにぎり、二つチンしよう。今、驚いたらお腹すいたよ」
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