第三話

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カレーを食べ終わり、換気扇の下で煙草を吸いながら、小島がコーヒーを入れてくれる。 二人で選んで買った豆は、先週買い物へでたついでに見つけた、喫茶店で味見までした。 心地の良い香りが、部屋に立ちこめる。 「お風呂入るでしょ?掃除しておいた」 最近は、これが二人の合図になりつつあった。 「ありがとう。じゃあ、先に入るね」 洗面所に入り、服を脱ぐ。畳んで床に置くと、風呂場のドアを開けた。 ユニットに温かさがこもっていて、まだ春は来ていないが寒さは感じない。 湯船の蓋を開けると、多少冷めてしまったようだが湯気が出ている。 湯沸かしボタンを押して、軽くシャワーを浴びる。髪の毛は明日の朝シャワーを浴びるとして一つにまとめると、湯船に身体を沈めた。 と、電気が消される。まるで中を覗いていたのではないかと思うほどのタイミングのよさに、苦笑いが漏れる。 「おじゃま」 そして入ってくるのは、すべてを脱ぎ去った小島だ。 電気が消えているとはいえ、洗面所の灯りでぼんやりと中は薄暗い程度だ。 最近では、外で遊んで帰ってくると一緒に湯船につかることが習慣化していた。 「あ、ちょっと冷たいね」 「すぐ温まるよ」
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