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小島が入れるスペースを身体を寄せて作ると、「入ります」と実況中継しながら身体がすべてお湯につかった。
あまり大柄とは言えない小島と、女の中でも小柄の夏樹とでは、二人で入っても十分のスペースがある。
向かいあうのも恥ずかしさがあり、並んで入るか、大抵は身体を寄せ合うようにして入る。
「今日はゴルフの練習に行ってきたんでしょう?疲れたんじゃない?」
小島の背後に陣取ると、両手で軽く肩をもむ。
首のまわりを、こぶしで軽くたたき、そのまま肩甲骨まで下りていく。
肩の筋肉から、両腕に下りていくと、手のひらの近くで両手を掴まれた。
どきり、と心臓が高鳴ったが、小島は振り返ると夏樹の身体も回転させる。
お湯が、ざぶりと湯船から流れ出る。
温めすぎたからか、ユニットの温度がずいぶん上昇したと思うのは気のせいか。
「なっちゃんの方が、疲れたでしょ。参列って気を遣うしね」
そう言って、今度は夏樹の肩を揉んでくれる。
「凝ってますね」
その声が緊張で、震えている。緊張なのか、興奮なのか。もはやどちらでも構わなかった。
もっと身体を触れ合わせたくて、夏樹は力をすべて抜き、背後にいる小島にもたれかかる。
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