第三話

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小島が入れるスペースを身体を寄せて作ると、「入ります」と実況中継しながら身体がすべてお湯につかった。 あまり大柄とは言えない小島と、女の中でも小柄の夏樹とでは、二人で入っても十分のスペースがある。 向かいあうのも恥ずかしさがあり、並んで入るか、大抵は身体を寄せ合うようにして入る。 「今日はゴルフの練習に行ってきたんでしょう?疲れたんじゃない?」 小島の背後に陣取ると、両手で軽く肩をもむ。 首のまわりを、こぶしで軽くたたき、そのまま肩甲骨まで下りていく。 肩の筋肉から、両腕に下りていくと、手のひらの近くで両手を掴まれた。 どきり、と心臓が高鳴ったが、小島は振り返ると夏樹の身体も回転させる。 お湯が、ざぶりと湯船から流れ出る。 温めすぎたからか、ユニットの温度がずいぶん上昇したと思うのは気のせいか。 「なっちゃんの方が、疲れたでしょ。参列って気を遣うしね」 そう言って、今度は夏樹の肩を揉んでくれる。 「凝ってますね」 その声が緊張で、震えている。緊張なのか、興奮なのか。もはやどちらでも構わなかった。 もっと身体を触れ合わせたくて、夏樹は力をすべて抜き、背後にいる小島にもたれかかる。
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