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小島の手が、自然と肩から胸に下りてくる。
大して大きくはない胸なのに、小島はまるで磨きたての宝石のように丁寧に扱ってくれる。
腰や腹、その下に手が下りて行こうとするのと同時に、小島がつぶやいた。
「あー、キスしたい」
それがスイッチとなる。夏樹も待っていたかのように振り返ると、背後にいる小島に抱きついた。
お湯が揺れて、身体が波打つ。
二人が抱き合ったままに体制がずれると、平衡感覚が一瞬で消える。
ごん、と鈍い音で半分顔がつかった湯船から体制を直すと、彼が後頭部を撫でている。
「嘘。頭うった?氷持ってこようか」
どうやら湯船のへりに打ち付けたようだが、後頭部を覗きこもうとした夏樹の身体を小島が抱きしめる。
彼の顔の前にあった夏樹の胸にくらいつき、二回、甘く噛まれる。
途端に力が抜け、湯船に逆戻りだ。そこへ彼が覆いかぶさるようにのしかかってくると、もう逃げられなかった。
何度か軽く唇に触れるだけのようなキスをされたあと、舌が入ってくる。歯の裏側をなめられるように触れられると、ふっとカレーの匂いがする。
息つぎも許されないほど繰り返しキスをされていると、正真正銘に脳天がくらくらしてきた。
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