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人によっては、十数回もかかる場合もあるという。
夏樹は自分を責めていたのだ。魅力がないのではないか、と。
今まで付き合ってきた男たちは、少しでも夏樹に触れることを望んだし、触れられないといらいらしていることさえ感じることもあった。
小島は穏やかで魅力的だが、かえって夏樹は不安に思うこともあった。
だが、横顔を見て確信する。誰よりもひとつになりたがっているのは彼であるのだ。
それでも上手くできず、そんな自分に苛立って自己を責めている。
「大丈夫だよ。そのうち出来るようになるって」
「でもさ、最後までできないのって満足できないんじゃないの?」
小島は時々こういう時がある。エッチと言わず、セックスと言う。
付き合った経験人数を多いほうがもてると勘違いせず、周りも自分も一途な人が多いとはっきり告げる。
何かを隠そうとしない態度が安心につながり、それさえエッチの一部の気がする。
女は、身体を貫かれることだけで感じるのではない。全身で感じるのだ。
それは、触れられるだけではない。感情論だ。
「確かに、今はちょうどいい形にならないかもしれないけど、その代わりに色々触ってくれるじゃない?それってとっても気持ちがいいんだよ」
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