第三話

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不安にならないわけじゃない。 最後までいくところを、嬉しそうな小島の顔を見たくないといえばウソになる。 だが、これも本心だった。 「おー、大人だ」 照れ隠しなのか、小島がつぶやくように言う。 「もう、なによ。役立たず!とか、いつか言われるのかと心配になって」 自嘲気味に言う彼が、年下だということを思い出す。普段は、気遣いばかりしてくれて、わがまま一つ言わない男。 もしこれが彼の欠点だと思えば、可愛らしいではないか。 「気持ちよくしてあげるよ」 夏樹は、再び半身を起こすと、小島のものを手のひらで包んだ。数分もしないうちに次第に形を変えていくそれを、口に含む。 「ほら。慣れればすぐにできるよ。私、楽しみにしてるよ、その日を」 髪の毛を耳にかけ、小島に笑いかける。 いつのまにかテレビが音楽番組に代わっている。ジャズの音楽が流れる音を聞きながら、彼の身体にまたぎ、それを自らの身体に沈ませていく。 「でも、子どもができなかったら困るなぁ」 夢中で彼のを身体におさめていくことに集中し、すべてが入った満足で天井を見上げたとき、夏樹の耳に届いた声。 いくらなんでも、そこまで出来ないわけないでしょ。 でも、そんな先のことを考えてくれてるの。 夏樹の胸には、照れくさが充満して小島の顔を見られなかった。
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