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とにかく疲れきっていて。
いつもと同じ糖分を摂取したくらいじゃ働かない頭で、いきなり目の前に紺野の顔が現れて。
……気がついたら手を伸ばしていた。
入社以来、なかなか縮まらない紺野との距離。
ぼやっとしてたら、他の男に取られて。
今度は、その男に傷つけられて、恋愛に臆病になっているらしい紺野に、自分の気持ちを見せるなんてできなかった。
……それなのに、これだ。
「……末期症状かな」
「何一人でぶつぶつ言ってんの?」
また俺を覗き込むその顔との距離を無くしたら、こいつはどうするだろう?
「なんでもねー。デスクに戻るよ」
自分でも嫌になるくらい、俺は意気地無しだ。
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