目には目を歯には歯を

14/36
前へ
/36ページ
次へ
「やっぱ、紺野かな?」 「うーん……」 香港出張に出てしまえば、一週間も紺野の顔が見られなくなる。 「矢野もいいんじゃないですか? 女性ばっかってのもどうかと」 公私混同って、こういうことを言うのかもしれない。 でも、紺野が俺の目の届かない所に行くのが、どうしても嫌だった。 ……子どもみてぇ、俺。 「それもそうだな。ま、一応矢野に振ってみるか。 あいつやる気だけはあるからな」 そう言うと、菱田部長はさんきゅー、と手をヒラヒラさせながら歩いて行った。 ……あれで、仕事はできるからな。 人は見かけによらない。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

652人が本棚に入れています
本棚に追加