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気がつくと、お昼休みをだいぶ過ぎていた。
商品倉庫に行くという萌乃ちゃんと別れて営業部に戻ると、ホワイトボードの私と萌乃ちゃんの欄には『打ち合わせ中』のマグネットがつけられていた。
……坂崎だな。
どこまでも気が利くやつ。
でも、営業部のどこにも坂崎の姿は見当たらない。
｢ヤノケン、坂崎は？｣
｢コーヒーじゃないすか？ いつもの｣
「ああ、そっか」
午後、リフレッシュのため坂崎はコーヒーブレイクを取る。
意外にもこういう時、坂崎は甘いカフェオレを選ぶのだ。
……意外にかわいいところもあるよね、坂崎って。
思わず笑みが零れる。
｢紺野さんやけに機嫌いいですね」
さては……、うまく収まったんですか？ 萌乃ちゃんのこと｣
ああ、ヤノケンにも心配かけてたよね……。
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