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営業部のオフィスに戻ると、紺野は外回りに出たのかもう見当たらなかった。
あー……、何て思ったかな、紺野。
あんなの悪いふうにしか取りようがないよな。
自分で自分を情けなく思いながら顔を上げると、俺のすぐ横を安西が通りかかった。
「ちょっ、安西、こっち!!」
安西の腕を掴んで、休憩コーナーへ引っ張っていく。
「ちょっと! 痛いよ、坂崎!!」
「あっ、悪い……」
言われて、安西の腕をパッと離した。
「安西、何で紺野なんだよ!?」
「はい?」
「だから、お茶! 何であいつに持って来させたんだよっ!?」
「ああ、ごめん。急に部長に用事頼まれてさー。
ヤノケンか嶺川さん探したけどいなかったから、ふたばに頼んだの。
……いけなかった?」
「良くねぇよ!!」
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