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ヤノケンはこういう時、あまり口出しをしてこない。
でも、ちゃんと私たちのことを気にかけてくれてたんだ。
……坂崎みたいに。
「っ…!?」
どうしてここで坂崎の名前が出てくるの!?
頭に浮かんだ名前をかき消すように、私は慌てて頭をぶんぶん左右に振った。
「……紺野さん、一人で何やってるんすか?」
「へっ? ご、ごめん。なんでもない」
私を覗きこむヤノケンに気がついて、ようやく我に返った。
「それでどうなったんすか? 萌乃ちゃんのこと」
「あ、萌乃ちゃんのことなら大丈夫!!
明日から私のとこに戻るから」
「あー……、よかったぁ」
「ど、どしたのヤノケン?」
ヤノケンったら、涙目になってない?
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