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「あ、さっきはごめんねー。
邪魔するつもりはなかったんだけど」
「紺野」
「でも坂崎もちょっと節操なさすぎじゃない?
いくら何でも社内ではやばいって」
「あのなぁ……」
「しかも相手得意先の人でしょ?
……って私が言えることじゃないか」
「紺野っ!!」
がしっ、と肩を掴まれ、坂崎と向かい合う。
「誤解だからな。
別におまえが思ってるようなことじゃない」
「……心配しなくても、他言しないわよ。」
瞳の奥に込み上げて来たモノに気づかれたくなくて、私は坂崎を睨み付けた。
「坂崎が誰と付き合おうが、私には関係ないし」
違う、本当はこんなこと言いたいんじゃない。
そう思っているのに、言葉を止められない。
「……あんたみたいに女にだらしないやつ、大嫌い」
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