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「……そ、そうですかぁ?」
ヤノケンの顔が、ニパァッと明るくなる。
やだ、ヤノケンったらせっかく綺麗な顔してるのに、そんな表情したら台無しだよ?
「立派に独り立ちしてくれて、お母さんは嬉しいよ。
それじゃあ、午後も頑張ろうね!」
嬉しそうに私に笑いかける面倒くさい後輩を、持ち上げるだけ持ち上げて、私は坂崎を探して営業部を出た。
******
「坂崎!」
坂崎は、自販機コーナーの横に設置してあるベンチに一人腰かけて、カフェオレを飲んでいた。
「おう、紺野」
私は、自販機で自分用にブラックコーヒーを買い、坂崎の隣に腰かけた。
「珍しいね、坂崎がそんなにボーッとしてるの」
「そうか?」
なんだか、いつもより口数も少ない。
……疲れてるのかな?
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