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「そ、そうですね。
新部署の立ち上げなんかもあって、まだまだ社内もバタついています」
つい向けてしまった視線の先で、坂崎の腕に甘えたように絡み付く安藤さんの姿を捉えてしまい、私は激しく動揺してしまった。
「……気になりますか? 祐のことが」
「ごめん、ふたば。光太郎がもう迎えに来てるみたいなの……。
あら、各務さん」
「安西さん、おひさしぶりです」
香が電話を終えて戻ってきた。
私の隣に各務さんの姿をみとめた途端、香の顔がパッと明るくなる。
「すみません各務さん、ふたばの相手をお願いできます?
私もう帰らなくちゃいけなくて」
「香そんな、ご迷惑よ。
各務さん、私は平気ですから。
会社の方もまだいらっしゃるでしょう?」
香の突然の提案に私は面食らった。
得意先の専務とずっと一緒なんて気が重い。
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