目には目を、歯には歯を2

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「あの、なんか妙にリラックスしてません?」 各務さんはジョッキを口に当てたまま、目を見開いて私を見た。 「……そうかな?」 「はい」 敬語、飛んでるし。 各務さんは手を口元に当て、何か考え込んでいる。 「参ったな、けしかけるだけのつもりだったのに……」 「はい?」 「いや、こっちの話。 ……で、俺は何から話せばいいの?」 今度は私の方がびっくりして、固まってしまった。 各務さん、『僕』から『俺』になってる。 「どうしたの、そんな顔して。 いいでしょ、今さら取り繕わなくても。 紺野さんの前だと俺も、いつの間にか素の自分に戻るんだよな」 「いつもは素じゃないんですか?」 「全然!!」 そう言って、各務さんはお通しに箸を伸ばす。 なんだか面白い人だな、この人。
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