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式場の中に入って、自分の席を探す。
すると、同じように新郎側のテーブルで席を探す坂崎を見つけた。
坂崎はいつものビジネススーツではなく、デザイナーズのスーツを着ている。
仕事の時とは違う雰囲気を纏う坂崎に一瞬胸が高鳴った。
「ああ、坂崎は新郎側なんだ。
望美と旦那さんを引き合わせたキューピッドみたいなものだもんね」
「あ、うん。そうだね……」
「ふたば……坂崎とはまだケンカ中なの?」
「うん、必要以外のことは喋ってない」
あれから、坂崎とはギクシャクしたままだ。
私は坂崎から避けられている気すらしていた。
「もー、二人ともいい歳して大人げない。
まあ、いいわ。今日はそんなこと忘れて楽しみましょ」
「うん!」
場内に式の始まりを知らせるアナウンスが流れてきた。
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