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ナルカは、マリサナよりも少し大きな町で、主な特産品は、近くの洞窟から採れる鉱石を元に作ったアクセサリーなどの小物だった。
洞窟で採れる鉱石は特殊で、暗闇で青く光ることから、“ブルーオー”と呼ばれている。
ちなみに”オー”とは鉱石の意味を持つ言葉だ。
五人が向かったのは、その鉱石を元にペンダントなどを作る小物屋の一つ、ナキの父親が経営している【オーパーツ】と呼ばれる店だった。
「兄ちゃん!来たよ!」
タミルが店に入るなり大声を上げる。
しかしそこには客はおらず、店長と思われる人物と、机に向かって作業をしている人物がいた。
店長と思われる方は、無精髭を蓄えていて、髪の毛は剛毛と言うべきなのか逆立っており、体つきは格闘家のようにしっかりとしていた。
上の服装は、その筋肉を目立たせるかのようにぴっちりとしたタンクトップを着、下には緩めの黒ズボンとブーツを履いていた。
つまり見た目は小物屋、というよりは、大工などの方に近かった。
一方、作業している方は痩せていて、髪はサラサラで、服装に関してはつなぎを着ていた。
こちらは小物屋、というのがあってるかのように見える。
そして、その作業をしている方が答える。
「お、タミル!来たか」
これが、タミルの兄、リムトだ。
「うん!馬車に乗ってきたんだ!」
「そうか、お友達も一緒だな?」
「うん!みんなつれてきたよ!」
そう言うと、タミルは少年を合わせた四人を紹介した。
しかし、ナキに関しては元から知っているため、簡単に終わった。
その後、ナキは店長と思われる方に行き、話しはじめた。
声は小さく良く聞こえないが、楽しく話しているのは、よく分かる。
このナキと話しているのが、【オーパーツ】店長、そしてナキの父親であるフクセだ。
フクセはナキと話し終わると、少年らの方へ向き、
「いらっしゃい。いつもナキと遊んでくれてありがとう」
その声は外見からは想像出来ないような落ち着いた声をしていた。
その声に応えるように、少年が口を開く。
「うん!みんなでいっつも遊んでるんだ!」
それを聞いて、満足したかのように頷くフクセは、早速ペンダントを作ろうと、小石を受け取ろうとする。
少年は、鞄から小石を出し、フクセに預ける。
他の子らも、フクセ又はリムトに小石を預け、しばらく待つことに。
フクセとリムトは店の奥に行き、作業を始めた。
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