逃げる猫

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彼女の黒い瞳を じっと見つめたけれど そんなことでは 彼女のことを 何ひとつ知ることは 叶わないのだ。 背を向け、歩き出す彼女。 引き止めたくなる手を 追いかけたくなる足を 呼びとめたくなる声を。 俺は必死に抑え 細い背中を見送った。
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