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1 駐屯地
夕方。自走砲の整備を終えた乗組員たちが、愚痴っている。
隊員A「いつも思うんだけどな、自走砲って地味だよな」
隊員B「地味だな。何より、戦車とどう違うの? とか聞かれるのが辛い」
隊員A「だよな。しかもどう説明したらいいのかよく解らないし」
隊員B「説明しようとすると、運用方法とかの前提から話す事になって、途中で聞いてくれなくなっちゃうもんな」
隊員A「どうしたもんだか」
隊員C「もう戦車って事でいいよ。動かし方は似たようなもんだし」
隊員A「おまえなぁ……」
部隊長が戻ってくる。片手になにかの封筒。隊員たちは直立不動で整列。
部隊長「おい。おまえら、整備は終わったか?」
隊員A「はい。ヒトナナマルマル。整備完了しました」
部隊長「よし。休め」
隊員C「で、何の話だったんです? 出撃ですか?」
部隊長「そんなもん、来るわけないだろ。戦車じゃあるまいし……。(封筒を見せる)辞令だ。来週、後方支援部隊の手伝いに行く事になった。もちろん自走砲は置いていく」
隊員A~C、ガッカリしたような顔になる。
隊員あ「あーあ。俺も機巧乗りたいよ」
部隊長「バカな事言ってるんじゃねぇよ」
隊員B「でも女の子とペアシートって噂ですよ!」
隊員C「なにそれ! うらやましい!」
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