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隊員C「ですけど、こことここに民家があって、この範囲内に着弾するとまずい。で、風に流される可能性を考えると、このぐらいの安全マージンが必要だと思うんです。その場合、撃てるのはここだけです」
隊員Cが地図に描いたのはほぼ直線。
部隊長「……おい。なんだそれ。俺達はこれから飛び回ってる奴を撃ち落すんだぞ? 対地兵器で! なのにおまえは砲を固定しろっていうのか?」
隊員C「だって、しょうがないじゃないですか……」
部隊長「うむ、しかし……。ただでさえ当たるか解らない物を……」
隊員B「諦めた方がいいんじゃ?」
部隊長「……いや。とりあえず一発撃て! 噴進弾、装填!」
隊員たち、作業を始める。
10空中戦
ドッグファイトを続ける二つの機巧。だが、空中戦に特化した敵の方が、一枚も二枚も上手だ。主人公機は徐々に追い込まれていく。
敵の機銃攻撃。羽の先端が破損する。
御堂「まずい!」
佐神「通信、通信さえ回復すれば!」
ミサイルが使えず、本部に何かを要求する事もできず、佐神も焦っている。その時、夜空を何か光るものが横切る。自走砲からのロケット弾。
佐神「ん? あれは?」
十秒ほど間を置いてもう一発。同じ軌跡。
御堂「何? 地上から何か撃ってるの?」
佐神「敵のいる所と全然違う……。何やってるんだ?」
三発目も同じ軌跡。
御堂「役立たず!」
佐神「もしかして、あの軌道でしか撃てないのかな?」
佐神。発射地点を光学で拡大。
佐神「なんだあれ? 戦車? あんなので飛ぶ敵を撃ち落せるのか?」
御堂「そんな無茶な……」
佐神「いや。御堂。一つ思いついた。さっきの軌道に敵を誘い込めないか?」
御堂「えっ?」
佐神「こっちから敵を攻撃するのは難しい。地上から来る攻撃を敵に当てるんだ!」
御堂「難しい事言うわね」
それでも御堂は弾丸と同じコースを直進し始める。後ろから追いかけてくる敵機巧。ドッグファイトで言う「ケツを取られた状態」
地上から弾丸が発射される。弾丸は空中で分裂するが、一発も敵機巧に当たらず闇に消える。敵は気付きもしない。
佐神「なんだ? さっきのと少し違うのが来た?」
敵の機銃攻撃、主人公機は必死で避けるが、どこかが破損、警告灯が一杯つく。
御堂「ダメじゃない!」
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