第15話 望む声

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第15話 望む声

翌朝から森の中を歩き進め、次第にアッシュの炎でも皆の顔が見えなくなってきた 足元も危うい リリィ「今日中には森、抜けられる?」 アリス「順調に行けばね」 アッシュ「そうなの?」 エド「なら、休み無しか……」 アッシュ「えー、やだぁ」 唯一皆がいるとわかるのは声だけ それにこの森には…… ユキ「でも、クロウが出たら大変ですからね」 ノア「クロウ?」 アッシュ「クロウは深淵の森に住み着く魔物だよ 生きた人間を自分に取り込んで永遠と森をさ迷わせるんだって」 ノア「何それめっちゃ怖いっすけど……」 エド「それは一人の場合だ。心に隙が出来ればよく現れる まぁ、一人でいると不安になってしまうからな」 ノア「そ、そうなのか……」 普通の人だとはぐれたらもうこの森から捜し出すのは難しい クロウに捕まらないようにしないと…… アリス「ま、例えばアッシュとかはポジティブだし大丈夫よ」 アッシュ「おーい」 それから数時間後のこと、起きてはならないはぐれ騒動が起こってしまった エド「ん? ノアが居ないぞ」 ユキ「え? さっきまで後ろに…… 何処に行ったんでしょうか?」 リリィ「無視して行こう」 ユキ「いや、ダメですよ!!」 普通に見捨てようとしたリリィさん うん、置いてかないであげてください。 アッシュは辺りをキョロキョロとし、アリスの肩を叩く アッシュ「迎えに行ってくるよ アリス達は先に行ってて」 エド「おい、待て お前まで迷子になられたら困る」 アッシュ「大丈夫。僕の″蒼ノ炎″で捜し出せるから 袖とか見てみなよ。こんなことがあろうかと予め用意したんだ」 そう言われ袖口を覗き込むと小さな蒼い炎がユラユラとしていた 熱くもなければ冷たくもない。不思議な炎だ ユキ「全然気づきませんでしたね(苦笑)」 アリス「便利ねぇ てか、教えてくれてもよかったじゃない」 アッシュ「だって聞かれなかったし」 エド「あっそ……(怒)」 まぁ、確かに聞かなかったけど…… それでも言ってくれたらいいのに アッシュ「じゃ、抜けたらそこで待っててよ 見つけたらすぐに戻るから」 ユキ「いってらっしゃいませ」 アリス達を残してノアを捜しにいく
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