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(とは言え、まだ知り合っても無いし… 入学式以来、話した事も無い)
話す機会も無い為、
何時も蒲田の姿を見付けては、目で追っているばかりだ。
部活も何もやっていないらしく、接点となる物が見つからない。
(…先輩、辛いだろうな)
そんな事を考えていると、
チャイムが鳴った。
いつの間にか、授業が終わってしまった様だ。
「や、やばいっ!何もノートに書いてない!!」
慌てて黒板に書かれている事をノートに写す。
しかし、
半分程写した所で 黒板の文字は綺麗に消されてしまった。
「あぇ~………」
谷乃江が困り果てていると、
友達が数人 此方へやって来た。
「メグミン!飲み物買い行こーぜ!!」
「え? あ、うん!行こー行こー!!」
入学して1ヶ月。
思っていたより友達は沢山出来た。
そして周りからは、
"メグミン"と言う愛称で親しまれている。
先生も友達もみんな優しくて…
──蒲田先輩の事が無ければ、本当に幸せなのに。
そう思い席から立ち上がると、
谷乃江は友達と共に 廊下へ飛び出した。
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