☆谷乃江 恵×蒲田 弘樹☆

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(とは言え、まだ知り合っても無いし… 入学式以来、話した事も無い) 話す機会も無い為、 何時も蒲田の姿を見付けては、目で追っているばかりだ。 部活も何もやっていないらしく、接点となる物が見つからない。 (…先輩、辛いだろうな) そんな事を考えていると、 チャイムが鳴った。 いつの間にか、授業が終わってしまった様だ。 「や、やばいっ!何もノートに書いてない!!」 慌てて黒板に書かれている事をノートに写す。 しかし、 半分程写した所で 黒板の文字は綺麗に消されてしまった。 「あぇ~………」 谷乃江が困り果てていると、 友達が数人 此方へやって来た。 「メグミン!飲み物買い行こーぜ!!」 「え? あ、うん!行こー行こー!!」 入学して1ヶ月。 思っていたより友達は沢山出来た。 そして周りからは、 "メグミン"と言う愛称で親しまれている。 先生も友達もみんな優しくて… ──蒲田先輩の事が無ければ、本当に幸せなのに。 そう思い席から立ち上がると、 谷乃江は友達と共に 廊下へ飛び出した。
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