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健二は無線を哲から取り上げると、先程の趣旨を説明し、作戦の延期を求めた。
(なにをするか知らんが隼人を危険な目に合わせるわけにはいかん、なんとしても..)
必死に事情を説明する。
『ですから、作戦区域内に民間人がいます!まずは民間人の誘導をさせて下さ..』
[後退せよ]
健二の言葉を遮るように無線からは冷たい声で再度後退指示が出された。
続いて信じられない言葉が聞こえた。
[作戦区域を衛星から確認したが、民間人らしき熱源は探知出来なかった。貴様の気のせいだ。直ぐに後退せよ。これ以上の反論は命令違反で軍法会議にかけるぞ!]
それを言い終えると無線は切られた。暗闇に静寂が戻る。
『工藤、ここは後退しよう。直接掛け合おう。俺も協力するから』
『そうだな...急ごう』
2人の自衛官はポイントDに向けて走っていく。
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