ホムラという男。

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翌日。 案の定というのか、受取人から薬物反応があった。 かなりの量だったようだ。 「見事だな…露草」 「分かっててやらせただろ…」 俺が返せば、ホムラは頷いた。 「色々な職業を転々としていたようだな」 つまりは…職業を全て吐けと。 そんなホムラに荒い息を吐き。 「言ったら…お縄か?」 「届けがない奴はお縄に出来ない…」 捕まえない変わりに吐けと…。 「ギャンブラー、薬の調達、薬の輸入、金銭配達、暗殺……裏仕事は全て経験済みだ」 「文字は…?」 「調達の際に使う裏特有のしか書けない」 致命的。だろう。 ホムラはしばらく考えると… 「育成班にいる雪那に明日から教えてもらえ」 突然ももはや馴れた俺は…可笑しいだろうか。 この時の俺は、ホムラの言葉に普通に頷いていた。
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