第1章・三年前

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体を起こして考える。そこでふと遠くのうっすらと見えるモノリスが目に留まった。 ガストレアの侵入を阻むモノリス。しかし1km以上の高さがあるモノリスでもガストレアが侵入してしまうケースがある。 それを始末するのが民警。体内にガストレアウィルスを保持する呪われた子供たち、イニシエーターを引き連れるプロモーター。 「俺は……プロモーター、民警…かな?」 「マジかよ」 そういうと全員が驚いた表情をする。それも当然のことだ。民警の仕事はガストレアの排除がその主、任務中に死亡、またはガストレア化する可能性が高い。 「呪われた子供たちと一緒って危なくないか?」 「いくら体内にガストレアウィルスが存在するかといっても彼女たちは浸食率が50%を越えるまでは人の姿だ。別にガストレアウィルスは空気感染するわけでもない、心配はない。それと……俺は人を差別する事は嫌いだ」 「あっ……す、すまん。そういやおまえの……」 「分かればいい」 「そうですよ、彼女たちはただ瞳が紅いというだけじゃないですか」 「しかしそのために彼女たちは大人、同世代の子供、両親に恐怖され捨てられているのが現実です」 そればっかりは仕方ないことかもしれない。俺たちはそれほどでないにしろ同じ奪われた世代、特にガストレアと遭遇したことのある人間はガストレアのその紅い瞳に恐怖している。 それが彼女たち呪われた子供たちの迫害に繋がっている。これは完全に止めれるものではない。
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