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「お前…………私たちの事を認識できていないだろ」
「ありゃ…もうばれちゃいましたか」
流石創世神。
そうだ、僕はあの世界で
・・
自分を構成するほとんどのモノを邪神共に飲み込まれた。
「お前の心の中を読めば分かる。お前の心をどれだけ読んでも、私たちの見た目が!印象が!……全くないんだからな……ッ!!」
「はい、そうですよ?」
「………ッ!他の邪神共を飲み込ませればもしかして……とも思ったが……無駄だったようだな…」
創世神は何か言おうとしたが、諦めたようだ。
「…別に構いませんよ、今さらですし」
もう昔からそういうのあんまり感じなくなったんだよね。
「それが……邪神の力に飲み込まれなかった唯一の理由だった、というのは何よりの皮肉だがな…」
邪神共は人の欲やら感情やらに惹かれるからね。
邪神に飲み込まれたからと言って『生きたい!!』なんて考えてると即消化されちゃうよ。
僕は完璧に飲み込まれる前にそういった欲が全部消失したから、残りカスとして魂だけは残ったけど。
まあそのついでに能力の一部を貰ったりしたけどね。
最終的には雑魚ぐらいなら普通に飲み込めるようになったし。
「お前…もし、もし仮に……だ、そいつら全部を戻せるとしたらどうする?」
・・・
「捨てるに決まってるでしょう、何をいきなり」
「つまりお前は戻りたくない、と」
「もうそういった欲は無いので」
その問いは単細胞生物に『エロいことしたいか?』と聞いているのと同じ位意味のない質問ですよ。
・・
そういった概念をそもそも持たないのに何を感じろと?
「……いや、重ね重ね済まない、またしても私が悪かった。今回は私の言い方ではない、私の決心が足りなかった」
ジャララララララララララ
創世神がそう言うと僕の身体は鎖で縛られた。
「……これは何の真似ですか」
「済まない、だがお前に拒否権はないぞ――封印神!!」
「は~~~い!」
返事の先には楔のようなものを持っている封印神が
「これから何を………「お前の雑魚邪神共の力をまとめ上げて抜き取る」は?」
「そのあと私が『作った』感情を入れるんだ。残念だが強い奴らの力は抜き取れんが………」
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