#1 出会い  

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外に出れば、身を刺すような冷気が体を包む。 はぁ。と息を吐けば、白い煙が空気中に散った。 ……そう言えば、あの日もこんな、雪のチラつく日だった。 ――だから、あんな夢を見たのか。 ポツリ、心の中で呟く。 自分は、あの日のことを忘れてはいけないのだ。傷にしなければいけない。 そんなことを考えながら石畳で作られた道をコツコツとブーツを鳴らして歩いていると…… 「……霧?」 いつの間にか、周囲は白い霧で包まれていて一寸先も見えない。 氷タイプ……あるいは、ゴーストタイプか…… 自然現象ではないだろう。 微かに、殺気を感じる。 しかし、この妙な感覚は何だ。 殺気は確かに感じるが、刺すような、殺気ではない。むしろ……―― 「―――っ」 「!?」 身構え、イヤリングに手をあてていると 突然目の前に人影が現れる。 その影は、銀狼に気付かず、まっすぐとぶつかってくる。 あまりに突然のことで対処が遅れた銀狼は、その人影にぶつかり、倒れてしまった。 「……な、なんだ。おい、お前」 「……」 返事はない。 いつの間にか、霧は晴れ、ちらちらと降る雪が視界に確認できる。 「おい」 銀狼は自分の上に覆いかぶさって倒れている人影を押し、身を起こして問いかける。 しかし、どうやら気を失っているらしい。 聞こえてくるのは、少し荒い息の音だけだ。 自分の手の中にいる人物は、綺麗な青の混じった銀髪をもった、とても髪の長い少年だった。 歳は多分、自分と同じくらいだろう。 「銀髪に、長髪……それに、この姿」 あいつを思い出す。 「……」 はぁ。と一度深いため息を漏らす。 銀狼は自分の手の内で気を失っている少年を抱き上げた。 ――どうやら、買い物はしばらく後になりそうだ。
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