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―――・・・・助けたい、だなんて思ったんだろうか。
キッチンで一人、二杯分の紅茶を淹れながら考える。
どうしてなんて、本当はわかってるんだ。こいつを拾った理由なんて。
単純明解な理由だ。
こいつを、自分と……あいつに重ねていたから。
俺は、こいつを放っておくことができなかった。
こいつを見捨ててしまえば、俺はまた、あいつを亡くすように思えたから。
だから、俺はこいつを放っておくことができなかった。
「……か」
はぁ・・・と、小さく息を漏らす。
紅茶の入ったティーカップを手に、つい先ほどまで自分が眠っていた寝室へと足を進めた。
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