あの日、君に恋をした

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××××××××××××× 香子が口をきいてくれなくなって3日。 さすがの2人も心配してくれたのか、俺たちは放課後の教室の片隅で作戦会議を始めた。 慶太の件はそれぞれの親から聞いていたらしく、原因がそれであることは話し合うまでも無かった。 「香子ちゃん、僕たちが慶太を置いていったことを怒ってるんだろうね」 「でもアイツ、俺たちには普通に話しかけてくるし。口きいてもらえないのは亨だけだろ?」 壱琉は俺の机に座って足をブラブラさせながら窓の外を眺めている。 「そうなんだよねぇ。それが原因なら僕たちのことも怒ってて当然なんだけど亨だけなんだよね。何か心当たりある?」 壁にもたれて一丁前に腕組みをする忍は、うーんと唸りながら頭を捻っている。 「べつに……」 俺だけが避けられている事実は否定のしようがない。 そこに理由があろうが無かろうが、単に俺の心には堪えていた。
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