願うは、キミの幸せ

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××××××××××× 美也の家での夕食を終えた俺に待ち受けていたのは彼女の母親による思い出話攻勢だった。 思いついたように引っ張り出されてきた何冊ものアルバム。 「もう、この時の美也ったらね~」 なんて、ティッシュペーパーの箱を抱えて号泣している幼い頃の美也を弄ったりして。 アルバムが捲られる度に次から次に出てくる幼き日々。 美也の母親は、当の本人が全く覚えていないことでさえ昨日のことのように話しては目尻を下げる。 「あっ、ほらほら。壱琉くんや忍くん。あら、香子ちゃんも。昔からべっぴんさんよねぇ」 延々と1人で喋り続ける母親に美也も呆れ顔で目配せしてきた。 「お母さん、そろそろ亨ちゃんも帰らないといけないから」 「えー。もう少しくらいならいいじゃないねぇ、亨くん?」 「いえ、俺もそろそろ……」 「ほら、見てっ。この香子ちゃん、また特別に可愛いわぁ」 俺の意思など完全無視で一段とテンションを上げた母親の見つめる先には、カメラのファインダーにとびっきりの笑顔を向けるあどけない香子がいた。
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