あの日、君に恋をした

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手を繋いでいると次第に治まってくる美也の涙。 「慶太が帰ってこないの?」 「うん。私のお友達と一緒に遊ぼうって言ったら1人で帰るって……」 再び美也の声が涙で滲んでいく。 それでも説明を続けようとする美也の言葉をどうにか繋ぎ合わせていくと少しずつ状況が見えてきた。 美也の誘いを断った慶太は彼女の制止を振り切って1人で自宅に向かったらしい。 だけど、てっきり慶太が俺たちや美也と一緒にいると思っていた母親が、1人で帰ってきた美也と出会って事態が発覚したと言う。 美也は双方の親が探しに出ている間、自宅で待っているように言われたものの気が気でなくて自分も探しに出ていたところで俺と会ったらしい。 「私がちゃんと一緒に帰ってたら……」 ついに美也の目からは大粒の涙がこぼれ落ちる。 「美也のせいじゃない」 どう考えたって悪いのは、慶太を突き放した俺だ。 そう己の行いを戒めながら美也の手を握る力を強くした。
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