あの日、君に恋をした

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美也の家が見えてくると、家の前には探しに出ていた親たちが戻ってきていた。 「美也っ」 歩いてくる俺たちに気づいた美也の母親が駆け寄ってくると、美也は俺と繋いでいた手をパッと離して母親へと走っていった。 俺の手に残ったのは罪悪感だけ。 「家で待ってなさいって言ったでしょっ」 地面に膝を着いて美也を抱きしめる母親の声は震えていた。 「慶ちゃんは?」 美也の頭を撫でる手。 それが答えなんだって、俺にも分かった。 「警察に届けるか……」 集まってきた大人たちが発した言葉に泣きそうになる。 それよりも先に俺がやらなきゃいけないことはあるのに怖くて自分の存在を隠したかった。 「亨くん……」 慶太の父親の低い声がガツンと落ちてくる。 すごく怖くて怖くて…… ズボンをギュッと握って零れそうになる涙を堪えて下を向いた。 「慶太が戻ってきたら、また遊んでやって」 しゃがんで合わせてくれた目が優しくて…… 自分がやってしまったことをそっちのけで大声を上げて泣いた。 抱きしめてくれた太い腕にしがみついて、いっぱい泣いた。
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