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「じゃあ、キスさせて」
「そんなの、聞くことじゃないでしょっ」
「黙ってしたら怒るくせに」
「それは、亨がいつも急にするからっ」
「じゃあ、どっちならいいんだよ」
「そ、それは……」
いつも、こんなことの繰り返し。
触れ合いの前には必ず一悶着が起きて、ムードも何もあったもんじゃない。
たまには見つめ合って……とか、したいと思うのは俺だけなのか？
「はいはい。どっちでもいいですよ」
切りがない言い合いを終わらすのも、いつも俺からの強引ぎみなキス。
強がりを言ってばかりの口も塞いでしまえば、ただの可愛い女なんだよ。
必死に俺に応えようとする香子との距離を少しずつ詰めていく。
そうしていくうちに唇を首に這わしても、白い肌をなぞっても抵抗を見せなくなる。
言葉は無くても、こいつも俺を求めてくれてるんだって思える瞬間は何度味わっても全身が痺れるような感覚に陥る。
それは俺しか知らない快感。
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