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黒田の肩に音もなく鴉が舞い降りた。
《クロ。調べて欲しい事がある》
以前は突然現れた鴉にも頭の中に響く声にも驚いたものだが
今となってはもう慣れてしまった、これも黒田の日常の一部である。
「俺も聞きたいことがあったんだ」
黒田がそう返すと、鴉が分かっているとでもいうように
バサバサッと羽根を羽ばたかせた。
鴉は黒田の相棒でもあり、師匠でもある。
一見普通の鴉に見えるが、脚に紅い紐が付いている。
最初他の鴉と見分けが付かなかった黒田が付けたものである。
もっとも、今となっては必要のないものなのだが。
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