第一章 はじまりの唄

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黒田は鴉に今日感じた違和感のことを話した。 「どう思う?」 《お前が何か違和感を感じ取ったのなら何かあるんだろう。 もう起こっているのか、それともこれから何かが起こるのかは分からないがな。 一度俺の方でも調べてみるさ》 これまでにも、黒田が何かしらの違和感を感じた事はあった。 そしてその後必ずというほど何か事件が起こっている。 街の人々に黒田が有名である理由の一つがこれである。 黒田が何かあると予言すれば必ず何かが起こる。 人々にとって、悪いことが。 しかし、逆に黒田の予言のおかげで街の人々の被害は最小限で済んでいるし 何より黒田が解決して見せるので街の人々からの信頼は厚い。 だが一方で自作自演なのではという疑いを持っているものもいる。 そのような事はないのだが、 そう疑ってしまうほど黒田の予言は当たるし 解決するまでの時間も早いのである。
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