第一章 はじまりの唄

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「そうか、頼む。ところで、何を調べて欲しいんだ?」 《最近俺の仲間達の周りで神隠しが起こるんだ。共通点はまだ飛べない雛であるということ。 今は俺が抑えているが時間の問題だ。 このままだと怒ったあいつらが何をするか分からないからな。 俺の方でも調べてはいるがクロの方でも調べて欲しいのさ。》 厄介なことになった。 師匠からの依頼であれば断る理由はない。 問題は自分の中の違和感と師匠が持ち込んだ依頼内容だ。 師匠の仲間達は温厚だが、 ひとたび怒り出せば誰にも止められない。 元凶となるものを破壊しても止まらず、街一つなど簡単になくなるだろう。 師匠がわざわざ黒田に依頼するのだ。 相当怒りが溜まっているのだろう。 これでは仲間達の怒りがいつ爆発してもおかしくはない。 それに加え黒田の違和感である。 これは厄介なことになりそうだと黒田はそっとため息をついた。
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