七変化

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ほんのりと頬を染めたのは、猪口で二杯目を飲み干した頃だった。 抱き締めたい衝動に駈られながらも、学生の身分である半端な立場は、欲情を露にするだけの器ではないと諦めた。 帰り際、見送ると言って腰を上げた拍子に蹌踉めいた祐理子を、慌てて支えてやると、酔いも手伝ってか、虚ろな目をした祐理子の唇に、酒精でべとついた唇を重ねた。 「ぅ…」 遁れようとする祐理子の頬を抑えた。 軈て、腰砕けた祐理子の体を支えると、畳の上に置いた。 すると、畳を替えて間も無いのか、藺草の匂いが微かにした。
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