七変化

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息苦しそうに悶える祐理子の結った髪から、珊瑚の簪が抜けたのを斜目で瞥た崇文は、酒精で感覚を鈍くした指先を着物の脇から挿れた。途端、 「あかん!」 祐理子は甫きな声を上げると、敏速に身を捩った。 「…好きです。…あ なたが」 酔いに任せるかのように、崇文は想いの丈を口にしていた。 「嬉しいけど、うち、…あかんのんどす」 横を向いた儘で語る祐理子の乱れ髪が、妙に窈窕に映った。 「…僕のことが嫌いですか」 「そうやない。…うちの乳房、…綺麗やないさかい」 「……」 「堪忍。帰っておくれやす」
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